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水牛だより

2010年 12月 21日 ( 1 )

冬の花、冬の旅

垣根の垣根の曲がり角に山茶花が咲いている道はたくさんある。花はひとつ咲くと、後を追うようにたくさん開いて、そこここで満開以上になっている。でもたき火はない。風のあとには、落葉はそのままアスファルトの上に積もり、ぼんやり歩いているとすべることもある。お掃除する人はかろうじて土のあるところに落葉を集めている。たき火ができるといいのにね。

アンボンに気をとられたまま、タイや沖縄の詩人について話し合う機会があった。その夜の夢は島の青い海だった。南の海のイメージが抜けないまま、大晦日の「冬の旅」のリハーサル。一気に暗い世界に転落した。いい曲だけど、何度きいてもほんとうに暗い。暗いけど、何度きいてもいい曲だといったほうがいいのかな。シューベルトのサロンで初演のときも、あまりのくらさに、聴いている友人たちはみなじっとうつむいて沈黙してしまったらしい。シューベルトはだいじょうぶ、そのうちわかるよ、好きになるよ、と言ったという。

日本語訳者のひとり、山元清多さんが亡くなったので、ことしの「冬の旅」は追悼の意味あいもある。ゲンさんが訳したのは「最後の希望」「村で」「あらしの朝」「幻」「道しるべ」「三つの太陽」。ゲンさんの不在をぴったり言い当てているみたいな詩ばかりだと今は感じる。そうした個人的な感慨は斎藤晴彦さんのほうが強いに決まっている。しかし斎藤さんは言うのだった。これだけ暗い歌を歌って、お客を笑わせてみたいなあ、と。出来るかな? 今年の出来ばえを見に聞きに来てください。当日時間があってその気になったら、予約なしでも、どうぞ!
12月31日19時開演、シアターイワトです。
by suigyu21 | 2010-12-21 20:35 | Comments(0)