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水牛だより

2009年 06月 03日 ( 1 )

誰のためでもなく

『タイプライターの追憶』(片岡義男/写真・佐藤秀明)という文庫本を製本しなおしたのは去年のことだった。前半はブルーの印象が勝った写真、後半の小説のテキストはブルーのインクで印刷されている。だから紺色のクロスのハードカバーに明るいブルーの見返しをつけ、花切れは朱色と若草色の縞にした。これだけでまったく新しく生まれ変わる。布や紙を選んでいる段階ではなかなか結果を想像しにくい。だからできあがってみると、製本した自分も「ほほう!」である。いけるんです。

こういう生まれ変わりを最低でも10冊くらい並べてみたいと思い、ある日の帰り道に本屋に寄って、文庫本を物色した。『タイプライターの追憶』にはふつうの文庫本からはずれている要素が複数あり、そしてそれだから製本しなおした効果が強く出たとも思えるので、できるだけ特徴のあるものを選んでみた。閉店間近の時間だったので、全部を見切れず、とりあえずひっかかったのは5冊だけ。

『ぼくの伯父さんの休暇』(J=C.カリエール)ジャック・タチの映画のノヴェライズ。ピエール・エテックスの絵がすてき。これもブルーが似合いそうだ。
『るきさん』(高野文子) NAHAKOに連載されているとき読んでいた。全ページカラフルなマンガ。どんな色をもってきても合いそう。
『チェコスロヴァキアめぐり』(カレル・チャペック)イギリスやスペインや北欧もいいけれど、自分の国について何を書いているのかなんといっても気になる。絵もあっていい。
『猫の客』(平出隆)文字が大きくてぱらりと組んであるし、紙が厚くて上製本向き。
『パレード』(川上弘美/絵・吉富貴子)猫の客と同じ理由で選んだが、カラーの絵がいくつか入っているから、条件はよりいいかも。これは一度交差式で製本したが、上製本もためしてみたい。

さて、できあがるのはいつでしょう。
by suigyu21 | 2009-06-03 20:32 | Comments(3)