水牛だより

「理性に油を注ぐ酒」

「だってね、あなた、かつてはホントに凄かったんですよ。食事の伴どころか、食事代削ったって酒代だけは確保する。飲むためだけに、飲んでいた。ただし、昼間から飲むことだけはするまい、その一線を越えるのはマズイと思っていたので、ひたすらに夜を待つ。暗くなってくると、ソワソワする。
 さあ飲めるぞ、嬉しいな。
 私は大勢で酒を飲むのが好きではない。うるさい。くだらない。集中できない。したがって、夜な夜なアパートの一室で独り酒を飲むことになるのですが、これが凄かったんですよ。一升瓶を抱え込んでいるわけですから、ドブドブ注いで、ガブガブ呷る。安酒は全身を経巡り、思考は脳天を突き破り、もう火が出るかという勢いでしたね。
 なんでそんなに酒を飲んだのか、欲したのかという理由が、つまりこれのようです。たぶん変わっています。酒を飲むと、私は異様に頭が冴えてくる。「頭が」というのは不正確で、正確には「理性が」というところ、酒を飲むと私はいよいよ理性的になってくる。これが自分で面白くて、夜な夜な鯨飲しては理性に油を注いでいたようです。」
(『暮らしの哲学』池田晶子(2007 毎日新聞社))

飲んでいる時、「異様に頭が冴えてくる」状態になることは私にもある。お酒は強くないし、飲むようになったのは30を過ぎてからなので、こういうのを読むとうらやましい。昼間からキンと冷えたジンなんかをストレートで飲んで、すずしい顔をしていられたらすてき。休日の晴れた昼にそんなことを思ってみる。見果てぬ夢です。
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by suigyu21 | 2007-09-22 11:51 | Comments(3)
Commented by tsuu at 2007-09-23 17:52 x
昼間からジン。
いいですね。今度やりましょう。
そのためには、計画をたてなくては。。。
Commented by ital at 2007-09-24 13:20 x
僕はダメです。頭が冴えるどころか、酔いがまわるといつも以上に陽気になって、いつも以上に口が軽くなってしまいます。余計なことを喋らなきゃいいが・・・と冷やかに思っているもう一人の醒めた自分がどこかにいたりします。
Commented by suigyu21 at 2007-09-27 11:51
>tsuuさん
女ふたりで昼間からジン。おもしろそう。計画たててください。

>italさん
お酒はそれぞれ味がちがうように、酔いかたも違うと思うのですが、どうでしょうか。