8月
せっかくこのブログをオープンしたのですが、「水牛だより」は元通りのデザインでできることになりました。このままここを閉じてしまうのもちょっと残念なので、少し続けます。まずは8月1日の水牛だよりを。すでに読んでくださったかた、ごめんなさい。
片岡義男さんが『ハワイに渡った海賊たち』(堀雅昭 弦書房)という本を送ってくださった。サブタイトルにあるように周防大島の移民史。戦後の項目のはじめに「片岡義男が見た原爆」とあって、そこにはこの島の出身である片岡さんのお祖父さん片岡仁吉一家の写真が載っています。明治41年にハワイで撮影されたもので、仁吉さん(29歳)と妻のシナさん(28歳)は着物姿です。お父さんの定一さんはこのとき8歳で、片岡さんによく似ておりこうそう。ハワイへ出稼ぎに出たたくさんのひとたちの中の一家族。片岡さんは自伝的事実をそのまま書いたりはしないけれども、この写真から懐かしさのようなものを感じるのは、片岡さんの書くことばの背後に霧のように流れているものと同じだからだと思います。海によって外に開かれたこの島は、宮本常一の出身地としても知られています。
「水牛のように」を2007年8月号に更新しました。
水牛の10枚目のCD「がやがやのうた」を来月発売します。「がやがや」のひとたちが、がやがやしているいつものままをCDに記録できたと思います。完成まであと一歩。楽しみに待っていてください。歌うことや音楽そのものについてふとかんがえてしまうCDです。
佐藤真紀さんとイブラヒム先生に会いにいきましょう。大阪、広島、徳島、横浜、東京でトークが予定されています。徳島では高校生以下とお遍路さんは無料だそうです。
初登場の仲宗根さんは沖縄から。青空文庫10周年記念パーティに顔をだしてくれた彼をつかまえて、引きずり込むことに成功したようです。
7月18日に亡くなった高田和子さんのご冥福を祈ります。そうなるとわかっているつもりでいても、別れはどうしようもなく突然におとずれたので、それをしずかに受け止めるのはむつかしいけれど。
「水牛の本棚」にスラチャイ・ジャンティマトンの短篇集を加えました。荘司和子さんの訳で、「水牛のように」に連載したものをまとめて読めるように。いつもノートとボールペンを持ち歩いて、どこででも何か書いていたスラチャイの姿がここにあります。なにげないスケッチのなかにきこえる、感じやすい魂の声。こんなふうに。「花がまた散ってくる。散り止まないでいてほしい。重い頚木から解かれかつて経験したことのないような自由を得て、羽のように軽く、風がそよぐようにふわりと、ぼくの感性の中で明るく浮かび上がっている美しいもの。こころの中の種々の煩わしさが樹の葉が落ちるようにとれたとき、人はまた新しくなる。」
スラチャイの詩もたくさん載せてきたので、次はそれをまとめようと思っています。
それではまた!(八巻美恵)
片岡義男さんが『ハワイに渡った海賊たち』(堀雅昭 弦書房)という本を送ってくださった。サブタイトルにあるように周防大島の移民史。戦後の項目のはじめに「片岡義男が見た原爆」とあって、そこにはこの島の出身である片岡さんのお祖父さん片岡仁吉一家の写真が載っています。明治41年にハワイで撮影されたもので、仁吉さん(29歳)と妻のシナさん(28歳)は着物姿です。お父さんの定一さんはこのとき8歳で、片岡さんによく似ておりこうそう。ハワイへ出稼ぎに出たたくさんのひとたちの中の一家族。片岡さんは自伝的事実をそのまま書いたりはしないけれども、この写真から懐かしさのようなものを感じるのは、片岡さんの書くことばの背後に霧のように流れているものと同じだからだと思います。海によって外に開かれたこの島は、宮本常一の出身地としても知られています。
「水牛のように」を2007年8月号に更新しました。
水牛の10枚目のCD「がやがやのうた」を来月発売します。「がやがや」のひとたちが、がやがやしているいつものままをCDに記録できたと思います。完成まであと一歩。楽しみに待っていてください。歌うことや音楽そのものについてふとかんがえてしまうCDです。
佐藤真紀さんとイブラヒム先生に会いにいきましょう。大阪、広島、徳島、横浜、東京でトークが予定されています。徳島では高校生以下とお遍路さんは無料だそうです。
初登場の仲宗根さんは沖縄から。青空文庫10周年記念パーティに顔をだしてくれた彼をつかまえて、引きずり込むことに成功したようです。
7月18日に亡くなった高田和子さんのご冥福を祈ります。そうなるとわかっているつもりでいても、別れはどうしようもなく突然におとずれたので、それをしずかに受け止めるのはむつかしいけれど。
「水牛の本棚」にスラチャイ・ジャンティマトンの短篇集を加えました。荘司和子さんの訳で、「水牛のように」に連載したものをまとめて読めるように。いつもノートとボールペンを持ち歩いて、どこででも何か書いていたスラチャイの姿がここにあります。なにげないスケッチのなかにきこえる、感じやすい魂の声。こんなふうに。「花がまた散ってくる。散り止まないでいてほしい。重い頚木から解かれかつて経験したことのないような自由を得て、羽のように軽く、風がそよぐようにふわりと、ぼくの感性の中で明るく浮かび上がっている美しいもの。こころの中の種々の煩わしさが樹の葉が落ちるようにとれたとき、人はまた新しくなる。」
スラチャイの詩もたくさん載せてきたので、次はそれをまとめようと思っています。
それではまた!(八巻美恵)
by suigyu21
| 2007-08-04 18:24
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Comments(2)