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水牛だより

冬至から

冬至の次の日はもう春で、その次の日はクリスマスイヴ。すぐに新しい年がやってくる。年末のこのあわただしさに慣れることがない。

冬になると、毎年深谷ネギをたくさんいただく。採れたてで水分をたくさん含んだ太い白いネギは、どうやって食べてもおいしい。白いところだけを柔らかく蒸して、塩とごま油で食べるのは、おどろきのおいしさだ。『ウー・ウェンの「ネギが、おいしい」』というレシピの本を買って、冬になるとそのなかのいくつかをためしてみている。蒸すのはこの本の最初に載っているのだ。醤油や味噌で炒めたり、素揚げにしたり、毎日のようにネギそのものをおいしく食べるのは冬のすばらしさだと思う。

今年はこの本のなかのネギうどんとネギ焼きそばに目覚めた。ネギをじっくりと炒めて醤油と黒酢で味をつける。うどんのときは炒めたネギに水を加えて煮立ててからうどんを入れる。焼きそばは味をつけたネギと炒め合わせるだけ。読んだだけではあまりおいしそうに思えず、これまでためしたことがなかったのだが、やってみたら、とてもおいしい。ネギの味が全体にひろがっていて、黒酢がそれをまとめている。深谷ネギは一本だけ炒める。うどん一個や焼きそば一個よりネギの量が多いので、それもおいしさの理由かもしれない。二人で麺ひとつで満ち足りる。

親族のあつまりのとき、メンバーのひとりだった就学前の男の子がアンパンマンのフィギュアをいくつか握りしめていた。誰が好きなの?と訊いてみると、ナガネギマン、という意外な答えがかえってきた。どんなキャラクターなのかよく知らないが、きっと少数派に違いない。こういうこどもが少数派のままにあまり苦労しないで生きていける世界であってほしい。
by suigyu21 | 2022-12-28 19:34 | Comments(0)