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水牛だより

ゆれる

書いてみようかな、と思うちいさなことがゆらゆらと、ときどき頭をよぎる。外を歩いているときが多い。だから帰宅したときにはほぼ忘れているけれど、書いても書かなくてもどっちでもいいようなことを思いつくのは案外楽しい。

おそらく、思いついたらさっさと書くのがいいのだ。思いついたときこそ、ちいさなことをいきいきと感じているのだから。じっくり考えたりすると、つまらなくなる。

書いても書かなくてもいいが、書かないほうがちょっとだけいいこと、というのを書きたい、だったか、書くようにしている、だったか、そう北杜夫が書いているのを読んで、心から納得したのはどういうわけなのか。読んだのは半世紀は前だが、忘れられない。

コロナの夏が過ぎ、コロナの秋が来た。人間界の出来事と関係がないとは言えないだろうが、見上げれば空は高く青く、秋そのものだ。花咲く萩の枝が風にゆれている。
 

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by suigyu21 | 2020-09-30 21:29 | Comments(0)