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水牛だより

チップスは山盛りで

ゴールデンウィーク前の忙中閑ありな午後、夫とふたりで外に出る。暑くもなく寒くもない、快適な午後だから、ビール一杯のんじゃおうか、ということになった。こういうアイディアならすぐに実現の運びとなる二人である。

雑居ビルの二階にあるアイリッシュ・パブにいき、道路に面してオープンな席を取る。桜の若葉が目の前にあるせいで酸素の供給がじゅうぶんなのか、両車線に自動車が行き交う道の上でも気分は快適だ。そしてギネスとキルケニーのパイントに山盛りのチップス(=ポテト・フライ)。自宅では揚げ物をしないので、おいしいチップスに出合うとうれしい。少しは休んだりしてゆっくり食べたほうがいいとは思っても、それができない。チップスのはじめの一本を手にとって先のほうを少しだけケチャップの容器に浸し、口に運ぶ。最後の一本がなくなるまで、リズムに乗ったかのようにそれを繰り返す高齢の二人である。

「週刊朝日」で、片岡義男さんが『ポテト・ブックス』復刊版を書評しているのを読んだばかりだ。訳したのは伊丹十三。若いころはジャガイモと同じくらいに伊丹十三が好きだったので、この本も出たときに読んだと思うけれど、内容はまったく覚えていない。アメリカのポテト文化について書かれたものだと思うし、片岡さんだってポテトが好物だから書評をしたのだと思う。今度会ったときにはチップスとコルカノンについて忘れずに語ろう。ランチタイムが終わって夜の時間が始まるまでのハッピータイムに味わう一杯のビールとチップスは、コーヒーとケーキの組み合わせよりこの時期にはふさわしいと思う。
by suigyu21 | 2015-04-25 12:35 | Comments(0)