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水牛だより

昭和の事情

昭和に建てられた賃貸の集合住宅に住んでいる。配管が最初に老朽化するのは人間における血管とおなじようなイメージだが、実際の理由は配管の素材が原因であるらしい。つまり鉄管が使われていた時代に建てられていると、そろそろ管の内部にサビが出てきていて、そのちょっとした突起に、流れていくあれこれがひっかかり、やがて詰まる。

2年から3年に一度、上の階の排水管が詰まって、天井から水が落ちてくる。ことしもそれが来て、しかし経験を積んでいるから、天井が少し膨張しているという徴候で気付き、水が落ちてくるのは食い止め(てもらっ)た。

それから数日後の夜に、今度はトイレが詰まった。人生初というわけではないし、それなりに対処はできるのだが、今回は重症。夜だったけれど、管理会社に連絡して、処置をしてもらった。やはり鉄管内のサビが原因だから、だましだまし使うよりないね、と深夜に駆けつけてくれたプロは言う。

賃貸なのだから、こんな状態ならいつ引っ越してもいいのだが、人間のほうの老化もあるし、配管の劣化よりも地の利のほうが大事で、いまのところは動く気持ちになれない。次の問題が起こったときにあらためて考えることにしよう。メンテナンスに駆けつけてくれる老若のプロの話を聞くのは、おもしろくてためになるし、まだ完全にアウトという状況ではないこともわかる。ときどき、だいじょうぶだろうかと気にかけて暮らしているくらいがちょうどいいような気もする。


by suigyu21 | 2015-03-29 20:14 | Comments(0)