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水牛だより

忘れられない忘年会というのは矛盾です

ことし最後の月になって、たくさんの忘年会に誘われた。こんなにたくさんの人たちに会ったのは、実はお別れで、来年あたり死んでしまうのだろうかと、ロマンチックな妄想が立ちのぼってくる。実際にそうなったらすばらしい。

忘年会の一つは幹事を務めた。だいぶ年上のトラたちの忘年会だったから、永遠に年下としての役割はいつも楽しく引き受ける。トラたちというのは、1938年寅年生まれの鎌田慧、高橋茅香子、高橋悠治、津野海太郎、林のり子、平野甲賀、それはもう元気な面々。この人びとは個別に知り合って、その結果、全員が知り合うことになり、現在にいたっている。それぞれがその人でしかありえない個性を高めていて、さらに超という字をつけてもいい頑固者でもあるが、しかし、ジコチューというようなものとはまったく無縁だ。あれだよな、そうだよそれだ、などとと固有名詞なしで勝手に分かり合っているし、手もとのグラスはひっくり返すし、一応そのために集合したはずのテーマはすぐに忘れ去られたのか、最初から誰もわかっていなかったのか。

毛皮のコートを着たニシンという名前のグルジア料理を食べつつ強いウオッカを飲んで、ただ楽しく笑って飲んでいる悪ガキみたいな顔を見ていると、それが感染するのだった。彼らの身近にいるのはおもしろい。それは自分にとっての選択でもあったのだとあらためて意識した夜でありました。
by suigyu21 | 2013-12-29 23:55 | Comments(2)
Commented by espera at 2013-12-30 13:42 x
ああ、もうサイコーの忘年会の絵。
Commented by tsuu at 2014-01-09 13:48 x
「それは自分にとっての選択でもあったのだ」という部分が、今の私の心の何かを深く揺さぶりました。。。