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水牛だより

読まなければわからない

『捨てる女』(内澤旬子 本の雑誌社)がやってきたので、ふとページを開いたらそのまま最後まで読んでしまった。おもしろいからですよ、もちろん。そのおもしろさを書いてみたいなと思ってしまった。内澤旬子さんは(おかしな)友だちだ。友だちの書いた本は読む、そして黙っている、それが友だちとしての正しい態度だと思っているのに。

友だちであるから、会えばあれこれ話す。この本に書かれていることのほとんどは旬子さんから聞いている。のだが、読むほうが断然おもしろかった。書いている人の理屈や論理がすんなりと通っている。それなのに、文章のスタイルは真面目な絶叫型とでも言うのか、理屈や論理とは似合わないと思っていても、そのスタイルに導かれて理屈や論理に行き着いてしまうのが、ほんとうに愉快な、読むということだった。

旬子さんから製本用の紙は無事に譲り受けたから、少しずつ使っている。イワトでの原画とお宝本の展示・即売会では、会場で「満月バー」をやった。ちいママ旬子に助けてもらった。捨てる女・旬子がそのときにどのような精神状態だったのか、それは本を読まなければわからないことだった。いまはわかっています、スミマセン、という感じも悪くはない。
by suigyu21 | 2013-11-26 21:33 | Comments(0)