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水牛だより

6月9日の過ごしかた

6月9日は土曜日だ。製本に関心があったり、あるいは自分で手製本をこころみたりしている人たちはこの日は東京の九段のあたりに足を運ばなくてはいけないと思う。

この日は九段にあるギャラリー冊での「森羅万象ミクロコスモス—ルリユール、書物への偏愛 Les fragments de M (レ・フラグマン・ドゥ・エム)の試み 」展の最終日でもある。羽田野麻吏、市田文子、平まどか、中村美奈子の四人のユニットのこの展示会は5月10日から始まっていたが、最終日のこの日には四人がすべてギャラリーにいるらしいので、作品を見て、そして四人に問いかけてみれば、興味深い話が聞けるはずだ。

四釜裕子さんのブログには、彼女が訪れたときのちょっとした紹介がある。ルリユールと呼ばれる工芸品の一冊がどのように美しいものであるのか、見てみてほしい。自分の目で見なければわからない。

そして見て心を奪われたあとは、気持ちを沈めつつ少し歩き、内澤旬子のイラストと蒐集本展を見に行く。スタジオイワトでの展示会であり、即売会でもある。内澤旬子さんはかつて、というのは少なくとも三頭の豚を飼う前のことだと思うが、製本にも手を染めていたのだった。そのころに集めた彼女ならではのへんてこりんな本をここで見て、買うこともできる。イラストの原画も展示即売されるらしい。

このふたつの製本の世界の繋がりと落差には、きっとくらくらするだろう。

この日の夜は満月だ。晴れていればまあるい月を見て、その光を浴びながらうまい酒を飲めるなら、その夜のしめくくりとして最高ね、という、どこから浮上してきたのかわからないアイディアに乗って、内澤旬子のイラストと蒐集本展の会場がそのまま「満月バー」に移行することになった。この夜限りのバーのママは私。網タイツのちいママ旬子や、和服の似合うもうひとりのちいママ清美とともに、強くてうまい酒をそれぞれ持ち寄って用意することになっている。ツマミに専念するちいママ丹もいる。展示会は8時まで。バーは終電まで営業(!)です。いらしてね。充実の土曜日ですのよ。うふ♡
by suigyu21 | 2012-05-31 20:16 | Comments(0)