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水牛だより

大晦日は危険がいっぱい

大晦日恒例、日本語で歌うシューベルトの「冬の旅」が近づいてきた。新しいイワトと新しいピアノだけれど、歌手とピアニストは古いまま。そろそろリハーサルがある。この演し物だけはいつも譜めくりを担当しているので、リハーサルからつきあわなくてはならない。

譜めくりは若いころから数えきれないほど経験してきたけれど、あまり好きになれない業務である。最近は老眼なので、繰り返し記号がよく見えなくて、めくった途端に演奏者にめくり戻されるということもありました。めくり戻すことが出来るのならそもそも譜めくりなんかいらないのではないかと思うし、さらにはそれを演出と見る人がいる、という程度に目立ってしまうのが困る。

四半世紀くらい前に譜めくりしてる私を見て、林光さんから聞いた怖い話。譜めくりでさ、めくりそこなうことはふつうにあるでしょ。ぼくが知ってるいちばんスゴイのはさ、めくりそこなって譜面を落とし、それを受け止めようとして、鍵盤に手をついてしまったんだ。光さんの話なので、うそかまことかわからないけれど、めくっている身にはいかにもありそうなことだと思える。失敗もそこまでいけばどんな演奏よりすごい。
by suigyu21 | 2011-12-19 21:20 | Comments(0)