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水牛だより

「カフカノート」は無事に終わりました

「カフカノート」が無事に終了してほっとしている次の日の満月の夜。無事に、ということをこんなに具体的に考えたことはなかった。これまでそんなに安全な日々が続いていたのだろうかと不思議だ。「カフカノート」はほんとうにささやかな試みだというのに、そこにも厄災は落ちてきた。もちろん最大のものは地震です。311の後は予約はぱったりと途絶えた。実際に16日の午前中にも東京はかなり揺れた。中止するという選択肢はなかったが、本番中に地震が発生する可能性は限りなく100パーセントに近いという前提に立たなくてはいけない。客席のあちこちに誘導係が三人ほどすわって、そのときに備えた。どんなに準備万端でも、揺れが来なくてよかった。

17日の午後はイワトの前の道を救急車がサイレンの音高く何度も通りすぎていく。なかには埼玉県のものもあった。イワトは外の音が聞こえるので、できれば本番中には通ってほしくないと思いながらも、埼玉県からこのあたりの病院までたらいまわしにされているのだろうかと気になる。

さらにこの日は新宿区議会議員選挙の告示で、神楽坂の駅から外に出ると、演説の声がいくつも高らかに響いている。しかも何人もで行進しているから、その高らかな声は長いこと続くのだ。本番中にこの行列がイワトの前を通ったら最悪だと思い、来たら、黙ってくださいとお願いしようと、ずっと監視する。開演前に選挙カーが二度ほど通っただけで、さいわい本番中は静かないつもの通りだった。

劇場のなかでは、稽古のはじまりのときから本番のおしまいまで、天井からオドラーデックが見守っていてくれた。揺れもせず、救急車も通らず、選挙演説も聞こえず、三回のステージが無事におわったのはオドラーデックのおかげだったのかもしれないと今は感じられる。そう、あんなふうにちいさくささやかにいればいいのだ、どんなことがあってもね。

16日19時の公演は中継のあとアーカイブされたので、いつでも見ることができます。
http://www.ustream.tv/channel/sora-kita
by suigyu21 | 2011-04-19 00:01 | Comments(0)