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水牛だより

夢の結晶

これまでコンサートを企画したときには、かならずといっていいほど当日配るプログラムを作ってきた。楽しみのひとつでもあったけれど、今回の「影の反オペラ」はそれをしなかった。ちらしに曲目とかんたんな解説が載っているし、歌われ、語られるのはみな日本語だから、聞けばわかる、と思ったのだ。曲についてはそのときに話す、と作曲者が言っていたこともある。

日本語で歌う「冬の旅」初演のとき、せっかく日本語に訳したのだからプリントして配ろうか、と提案してみた。そうするとお客さんは歌詞ばかりを見ていることになるから賛成できない、と斎藤晴彦さんは言った。いっせいにページをめくる音がステージで歌っている斎藤さんを襲う。それに「まちがうことだってあるしさ」。ごもっとも。というわけで親切なことがかならずしもいいとはかぎらない。

でも、見たり聞いたりしたあとで、詩のぜんたいをゆっくりと味わいたいと思うことはあるから、「影の反オペラ」のときの三つの詩は8月1日更新の水牛に載せることにした。「冬の旅」の詩も小さな冊子にするとよさそうだ、と猛暑の昼下がりに夢想する。
by suigyu21 | 2010-07-24 14:45 | Comments(0)