土曜日が暮れていく
雨が小やみになったので、外の空気を吸いにでかける。あてもなく歩くのはいい。たっぷりと水分を含んだあまい沈丁花の香りに圧倒され、雨に洗われてあざやかさを増した黄色いミモザに目をうばわれる。屋根までとどきそうな木のぜんたいが黄色い花の房におおわれてふわふわしている。雨が降ったあとでは、いっきに春がうごめく。と感じる。
歩いていたら、たい焼きがふとこころに浮かんできた。空腹だったわけではない。読んだばかりの原稿に登場していたからかもしれない。和子さんとふたりで麻布十番をうろうろしていて、はげしい夕立にあった。そこがたい焼き屋の前だったので、雨宿りしながら一匹ずつ食べたことも思い出した。待っているうちに、夕立で暗くなった空はそのまま暮れていった。待ちきれずに歩きだし、ヘビーな前菜だったね、などと言ったりしたのに、はて、あの日は夕食に何を食べたのだったろう。思い出せない。
歩いていたら、たい焼きがふとこころに浮かんできた。空腹だったわけではない。読んだばかりの原稿に登場していたからかもしれない。和子さんとふたりで麻布十番をうろうろしていて、はげしい夕立にあった。そこがたい焼き屋の前だったので、雨宿りしながら一匹ずつ食べたことも思い出した。待っているうちに、夕立で暗くなった空はそのまま暮れていった。待ちきれずに歩きだし、ヘビーな前菜だったね、などと言ったりしたのに、はて、あの日は夕食に何を食べたのだったろう。思い出せない。
by suigyu21
| 2010-02-27 23:02
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