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水牛だより

ひっそりとしている

ほとんど読むだけだけど、ツイッターから帰ってくると、ブログの静けさにほっとする。ひっそりとしていていい。

今年出した唯一の水牛のCDは「富樫雅彦/Steve Lacy/高橋悠治」で、エッグファームでの10年前のライブのものだ。演奏者三人のうち二人はすでに亡い。10年前の音源をいま出すことにしたのは、そのライブを主催したエッグファームの強い希望があったから。そんなふうに後押ししてくれる力があると、ものごとはすんなりとすすむ。

水牛のCDのうち、「記号説/うむ」は作った500枚を完売して、もう追加はしない。これは共同制作したnaya collectiveと初めから決めていたことだ。CDを作り始めたときには、どんなものであれ、品切れとか絶版にはするまいと思っていて、いまもそういう態勢にはなっている。でも、CD(の中身)にだって寿命というものはあるだろうと思うようになった。それで、「水牛楽団」がちょうど品切れになったときからそのまま追加をしないで様子を見ている。CDにしてすでに1000枚以上は販売したのだから、このまま作るのをやめたとしても、いつかまた誰かの手でよみがえるという可能性は夢見ることができる。

「冬の旅」のように、毎年恒例となってコンサートを続けている場合には、CDも作り続ける。ライブを聞いて、CDを聞くと、なかなかおもしろい。CDはもう4年以上前の録音だから、ことしの斎藤晴彦と高橋悠治とは細胞レベルからして別人だ。何回も演奏を重ねていると、同じではありえないことはわかるけれど、それなのに底のほうにあるなんだか変わらないものにも気づく。
大晦日の「冬の旅」はまだ予約を受け付けています。
by suigyu21 | 2009-12-26 20:55 | Comments(0)