水牛だより

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みかんの花咲くまがり角

深夜だった。駅から自宅への帰り道で、最後の角をまがると、みかんの花のつぼみが無数に見える。家の隅に好き勝手に伸びているたった一本のみかんの木だが、去年ある程度の剪定をされて、スカスカになっていた。でもだいじょうぶ、というのか、もっとすごいといったらいいのか、ほんとうに無数のつぼみだ。いまにも開きそうな一枝を記念に失敬して、作業用の机の上に置いておくと、乾燥してからでもいいにおいが残っている。ネロリという精油を知っていれば、ああ、あの香り、です。花を鼻先に持っていって香りを味わえば、心も体も一瞬ではあれ、すっきりして、この世界をそのままに受けいれてしまう。

体の老化が安定したのか、いまはどこといって特に調子の悪いところがない。睡眠さえ足りていれば仕事も出来るし、遊ぶのも楽しい。なにもしないでぼんやりしているのは最高だ。以前ひどい五十肩になった。ずばり五十代のときのこと。そのときにあれこれ聞いたり読んだりしたなかで、もっとも説得されたのは、体のどこもかしこも等しく老化が進むわけではないということだった。体のそこかしこの老化の進み具合の軋みが五十肩となってあらわれる。痛いのも動かないのも、老化が安定するにしたがって知らぬ間に治っていく。不安定と安定を繰り返していくのだと考えれば気楽になろうというものです。
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by suigyu21 | 2016-04-29 20:50 | Comments(1)

エイプリル・フール

三月は毎日のようにフェイスブックからお知らせのメールが届いた。フェイスブックに登録はしているものの活用していないので「おともだち」関係も少ない。それなのに「きょうは誰とかさんのお誕生日です」というメールが毎日のように届く。これまで自覚していなかったけれど、三月生まれの友人が多いのだった。星座でいうと魚座と牡羊座の人たちであり、てんびん座の私とは相性がよくないとされている。それなのにこのありさまはどうしたことか。まるで四月馬鹿でだまされたような感じがする。

1997年、45歳で肺がんのため死んでしまった数住岸子は春のお彼岸に生まれたので、岸子という名前がついた。発音しにくい名前を、毎年三月には必ず思い出す。彼岸で元気にしているような気がする。
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by suigyu21 | 2016-04-01 21:14 | Comments(0)