水牛だより

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ああ無情。。。

いつも乗っているバスの窓から見続けていた古い木造の家。バス通りと交わる少し細い道の、角から三軒目にあって、三階建てのビルに両側を挟まれている。通りに面した前面はすべて引き戸になっているから昔は商店だったのだろう、お米屋さんならぴったりの風情だ。ずいぶん前に閉店したらしく、閉じられている引き戸の前にはプランターの花が並び、いつも季節の花がきれいに咲いていた。見るたびに写真に撮ろうと思って、しかしなんだか機を逸していたら、夏のはじめに取り壊されてしまった。バスの窓から小さな更地となっているのを発見して、ああ無情。取り返しがつかないとはこういうことだ。

まち遺産ネット仙台を運営している友人から「荒巻配水所旧管理事務所が解体の危機!」という連絡が入って、また取り返しのつかない、ああ無情な気持ちに襲われる。しかもあの震災の影響だ。小学生になる前の幼いころに荒町配水所の近くに住んでいた。市電で終点の八幡町までいき、そこから坂を上がって行くと、右側にそこだけ平らな配水所が見えてくる。舗装されていないきつい坂なので、いつも静かに広々としているそのあたりでちょっと中休み。左側に茂る樹木の間からは下を蛇行して流れる広瀬川が見えた。そして一息ついてからもう少し坂を登っていくと、道の左側の家に着くのだった。うろ覚えながら風景は思い浮かぶ。そのころは家から先に続く坂を登ったことはなかった。子供にとっては鬱蒼とした山がある感じがしていたけれど、おとなになって訪ねてみると、すぐに坂は下りになって、下のほうには開発された住宅地が広がっていた。

幼いころの記憶はともかく、取り壊されようとしている建物はこんなにかわいい。そしてこういうものが建てられることはこの先ないだろうから、取り壊すのはちょっと待ってください、と言いたい。まち遺産ネット仙台のブログには保存要望書が載っていて、署名もできるようになっている。
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by suigyu21 | 2011-07-23 13:03 | Comments(0)

七夕の日に冬の時代を感じる

四釜さんと八巻のbookbar32というユニットで、上製本30部の注文を受けた。連句集の続編なので、レイアウトその他は正編に準じて本文を用意した。俳句は17文字分の上下をあわせる。つまりどんな文字数でも上下はそろっていて均等割にする。しかも下の句は一字下げではじめる。そこでまず躓いて、イン・デザインに詳しい友人の知恵を借りた。レイアウト完成後はpdfに書きだしてそれを小冊子として16ページずつプリントする。プリントした紙を二つ折りにして丁合いをとる。穴をあけ、糸でかがる。紙を折るところから糸綴じまではPCから離れた作業になる。アイロン台にカッティングボードを敷いて作業台とする。サイズといい高さといい、申し分ない。でも見たところはじゅうぶんに貧乏くさくて、絵に描いたような零細の雰囲気だ。

暑さで汗ばむ手ではうまくいかないので、ひんやりと冷房をきかせて励む。もともとこの家は30アンペアなので、節電には以前から気をつけているから、ことしもこれまでとおなじ。

扉の用紙を選ぶために東急ハンズや伊東屋を見て回ったら、製本は小さなブームが去ったのか、あるいは見捨てられたのか、以前は店頭にあった道具類などなんにもなくなっている。早くも冬の時代なのだろうか。。。困るなあ。そう簡単に撤退しないでくださいよ。細々とでも続けるつもりなのだから。
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by suigyu21 | 2011-07-07 14:45 | Comments(0)