水牛だより

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秘かな思い

かつてオサムグッズというものがあって、文房具屋のキャラクターグッズの棚にならんでいた。リンク先のイラストを見ると思い出す人もいると思う。単純なデザインでチープなのに、どこかおしゃれ。中高生向きのトートバッグやノートや消しゴム、それにお弁当箱やグラスなど、いろいろ買って、コレクションではなくちゃんと実用品として使っていた。もちろん中高生ではなく、すでに中高年のおとなだったけど、お気に入りだったのだ。

「芸術新潮」に原田治の連載がある。この人がオサムグッズの生みの親だったことを知ったのは原田治ノートというブログを見つけてから。北園克衛のサイトを運営している人でもあったのでした。なにも知らなくても「どこかおしゃれ」と感じたことにはちゃんと理由があったのだな。
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by suigyu21 | 2009-06-28 18:43 | Comments(1)

白いつぼみを食べる

カリフラワーは菜花の一種で花を食べる野菜なのだそうだ。あの密集した白いつぼみはそのままにしておくと、やがては黄色い花になるらしい。菜の花やとう菜やかき菜やアスパラ菜、春だけ出回る少しだけ黄色い花のついている菜っ葉が好きで、手に入るあいだはほぼ毎日食べる。だからカリフラワーが好きなのも当然だったのだ。歯ごたえを残して調理したものをおいしいと思ってきたが、歯ごたえのないほどぐずぐずにしたものはさらにおいしいことを発見。

大きなものなら四つくらいに切って、塩をしたお湯でくずれそうになるまでゆで、そっとお皿にとってオリーブ油なんぞをかけて食べる。あるいは塩胡椒にニンニクをすり込んだ豚肉のかたまりを表面だけちょっといためてから、小さく切りわけたカリフラワー一個分をまわりにざっとほうりこんで、お酒を少しふりかけてから蓋をし、限度いっぱいの弱火で蒸し煮にする。豚肉は豚肉でしかないけれど(でもとてもやわらかくなる)、ぐずぐずにとろけそうなカリフラワーは想像を超えたおいしさで、こうした食べ方に地中海のあたりが原産だというカリフラワーのお里を実感する。
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by suigyu21 | 2009-06-21 16:13 | Comments(0)

自分だけの一瞬

近所のちいさなおうち。「家」ではなくつい「おうち」と呼んでしまうほどにかわいらしい。前を通るたびに別世界に来たようで見とれる。おうちも庭も手入れがゆきとどいていて、いつもぴかぴか。植木鉢が並んでいる窓の前から手前の木までが歩道でその先は大型路線バスも走っているような二車線の自動車道路。こんな環境に塀もなく、むき出しで建っていること自体がめずらしい。
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by suigyu21 | 2009-06-15 20:05 | Comments(5)

誰のためでもなく

『タイプライターの追憶』(片岡義男/写真・佐藤秀明)という文庫本を製本しなおしたのは去年のことだった。前半はブルーの印象が勝った写真、後半の小説のテキストはブルーのインクで印刷されている。だから紺色のクロスのハードカバーに明るいブルーの見返しをつけ、花切れは朱色と若草色の縞にした。これだけでまったく新しく生まれ変わる。布や紙を選んでいる段階ではなかなか結果を想像しにくい。だからできあがってみると、製本した自分も「ほほう!」である。いけるんです。

こういう生まれ変わりを最低でも10冊くらい並べてみたいと思い、ある日の帰り道に本屋に寄って、文庫本を物色した。『タイプライターの追憶』にはふつうの文庫本からはずれている要素が複数あり、そしてそれだから製本しなおした効果が強く出たとも思えるので、できるだけ特徴のあるものを選んでみた。閉店間近の時間だったので、全部を見切れず、とりあえずひっかかったのは5冊だけ。

『ぼくの伯父さんの休暇』(J=C.カリエール)ジャック・タチの映画のノヴェライズ。ピエール・エテックスの絵がすてき。これもブルーが似合いそうだ。
『るきさん』(高野文子) NAHAKOに連載されているとき読んでいた。全ページカラフルなマンガ。どんな色をもってきても合いそう。
『チェコスロヴァキアめぐり』(カレル・チャペック)イギリスやスペインや北欧もいいけれど、自分の国について何を書いているのかなんといっても気になる。絵もあっていい。
『猫の客』(平出隆)文字が大きくてぱらりと組んであるし、紙が厚くて上製本向き。
『パレード』(川上弘美/絵・吉富貴子)猫の客と同じ理由で選んだが、カラーの絵がいくつか入っているから、条件はよりいいかも。これは一度交差式で製本したが、上製本もためしてみたい。

さて、できあがるのはいつでしょう。
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by suigyu21 | 2009-06-03 20:32 | Comments(3)