水牛だより

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時の過ぎゆくままに

きょうだってもちろんやるべきことはある、それも早急に。わかってはいるけれど、すべて忘れたふりをしていつもの道をゆらゆら歩く。空はその色も高さも雲の姿もすっかり秋だが、地上はまだ夏の終りと秋のはじめとがまざりあっていてにぎやかで美しい。道ばたに群れて咲いている白粉花の匂いは夏のもの。りっぱな家の垣根を越えて地面まで届き、風に揺れている萩の花の風情は秋のもの。大きな芙蓉の木には濃いピンクの花がたくさん咲いている。みんな無心に。

さあ、そしてこれからやるべきことをするのだ。トロイメライのときに予約していただいた『高橋悠治ソングブック』を作るのが最初のやるべきこと。植物のちからを借りて無心に綴じよう。こんなふうに時間を使えるのがフリーランスのいいところだと思う。予約してくださったみなさん、来週のはじめにはお手元にお届けします。待っていてくださいね。
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by suigyu21 | 2008-09-25 20:50 | Comments(4)

夢のあとに

三日間とも満席のトロイメライ。来てくださったみなさま、ありがとうございました。

初日があけてしまえば、やるべき細かいことはいろいろあるけれども、制作にかかわった者としてはすでに仕事はおわっている。劇場のドアに近い補助席でステージを見ながら、つい先のことを考えて、ひとつ企画を思いつく。せっかく『高橋悠治ソングブック』を出したのだから、「ぼくは十二歳」を男の人に歌ってもらおう、と。この歌を最初に歌ったのは中山千夏さんだったからか、その後も歌ってくれたのはみな女の人。十二歳の男のこの歌は声変わりしてしまった男性より女の人の声のほうがふさわしいという気もするけれど、いつか男の人の声で聞いてみたいとずっと思っていた。「寝物語」も病気でいじめられて、死んでゆく男のこの歌だ。うん、その機会をつくってみよう。思いつくと黙っていられなくて、2、3人に話してみたら、ライブができそうな気配が漂ってきた。トントンと話がすすむ場合はいいものができる。これまでの経験がそう言います。
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by suigyu21 | 2008-09-22 20:43 | Comments(4)

あすからトロイメライ

トロイメライの前夜ともなると、そのためにほぼ順調な時間が過ぎてきたと感じる。楽観癖とでもいうものでしょうか。あすの初日の次は中日、そして千秋楽という三日かぎりの夢の夜。一時間ほどの航海を楽しんでください。

先週末からは製本三昧の日々だった。「高橋悠治ソングブック」を綴じ、その合間に片岡義男「階段を駆け上がっていった」(書き下ろし小説)を綴じ、この一週間はかけだしの職人の気分です。製本のための特別な訓練は受けていないのに、なぜこんなことになっているのかよくわからないが、どんな本にするのか考えるのはおもしろい。その考えを実際にかたちにしてみると失敗も多いけれど、失敗からはまた次のやりかたを模索できる。製本以外のことにも応用できる。さあ、トロイメライがおわったら、どこへいこうかなあ? やっぱり楽観癖です。
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by suigyu21 | 2008-09-18 23:50 | Comments(0)

『高橋悠治ソングブック』を入稿した

土曜日の深夜に『高橋悠治ソングブック』のデータをアドヴァンスという旭川にある印刷所に送って、やっと一安心。アドヴァンスの親切で早い対応のおかげで、今週末には印刷はできあがる見込み。ありがたいことです。あとは無心にせっせと綴じて、19日にはシアターイワトのロビーに並べられそうだ。限定100部です。

作曲家と編集者の家内工業は、家内というもろもろをもひきずって、なかなか思うとおりの仕事一筋にはいかない。さらに、今まで愛用してきたコンピュータの調子が悪く、新しいマシンは用意してあるものの、それではアプリケーションが動かなかったりと、とても面倒な事態に陥っている。そうならないといいなあ、と心から思うときに必ずそうなる。どうしてでしょうね。

レイアウトしたものをpdfに書き出しているときに、ちいさな間違いに気づいたりもしたが、そのまま進めてしまった。完全な楽譜なんてほとんどないぜ、と言われてもあまり慰めにはならないが、時間の制約でしかたがなかった。とはいえ、時間の制約がなければ完璧なものが出来上がるのかどうかは疑わしい。永遠に出来上がらないかもしれない。

テーラワーダ仏教のスマナサーラ長老の説法の本はたくさんあって、いくら読んでも飽きることなくおもしろい。修行や瞑想をしない身にも「今この場で役に立ち、自ら実践し理解する智慧の教え」は必要なのです。ソングブックを作ろうと思い立ったのは出来心だったが、実際に作業をするときにいつもこころにあったのは「理性の生き方というのは、少ない努力で、効率的に仕事することです。」という長老のひとことでした。
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by suigyu21 | 2008-09-10 18:38 | Comments(2)

トロイメライの始まりを感じる

きのうはトロイメライの稽古はじめ。出演者全員がそろって、シーンごとのイメージと具体的なやりかたとを作者からきく。それによると、トロイメライは晩年のベケットのスタイルによる如月小春、ということのようだ。原作から骨格として取り出されたことばは、その意味でなく音のほうを意識せよ。

初演の如月さんのステージはまっしろできらきらしていたが、あれから24年後の今度の舞台はたぶんうすぐらいものになるのだろうと思う。いわゆる芝居ではないけれど、出演者が突然ちがう人物にかわったりするから、それなりの工夫はありそうだ。

初演のときに出演していた人から予約のメールが来た。うれしい。
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by suigyu21 | 2008-09-03 20:15 | Comments(1)