水牛だより

黄色の夏

リモンチェッロというイタリアの食後酒を知ったのはそう遠い昔のことではない。レモンの香る甘くて強いお酒は消化を助けるといい、ちいさなグラスでくいっと飲む。冷凍庫に入れておくと、アルコール度数が高いので、凍って固体になることはないが、とろりとしてとてもおいしい。もともとはイタリアの南のほうの大きなレモンを使って、家庭でつくられていたもののようだ。

つくりかたも調べて知ってはいたが、強い醸造用アルコールを使うのでそれをどこで調達すればいいのかわからなかったし、レモンの皮だけ使うから、皮をむいた後の白いワタに包まれたぶよぶよのレモンが残り、それの始末もどうすればいいのかと迷って、なかなか実行に踏みきれなかった。

ところがここに、醸造用アルコールではなく、ジンを使い、レモンの皮だけでなく、実もあまさず使うというレシピを知った。そのレシピを読んでいるだけで、おいしいに違いないことがわかる。ジンとレモンと氷砂糖だけあれば出来る。自然食品のお店も近所にあることだし、材料はそろった。次の日に仕込むつもりだったが、待ちきれず、夜のうちに作業開始。この場合、とにかくレモンの皮と実のあいだにあるワタを取ってしまえさえすれば「雑味」がないということのようだ。

皮をうすくむいてジンにいれると、みるみるうちにジンは黄色く色づいてくる。もっと強いアルコールだと、皮は白くなるまでその黄色い成分が溶け出すようだが、ジンはそこまではいかない。そこに氷砂糖と混ぜた果肉を入れて、じっと待っている。ちょっと味見をしたが、うん、おいしい。時間がもっとおいしくしてくれるのかもしれないが、香りが立つうちに飲んでしまおう。

3リットルのガラス瓶の3分の1ほどに黄色い液体が入っているのを見るのが楽しい。一日一度、瓶を振って撹拌する。
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by suigyu21 | 2016-06-15 22:18 | Comments(0)